は、アクマに両親を殺されて
黒の教団に引き取られた。


最初は警戒心の強かった彼女も、
今では愛らしい姿でみんなの心を穏やかにしてくれる。


この黒の教団の

アイドルだ





より しい
だから









 今日は僕と一緒に食堂行こう?」

アレンは、を後ろから抱きしめて言う。
は驚いたのか大きく体を震わせた。

ふと、体を浮遊感が襲う。
「おい、モヤシ。
 テメェ、何、人のモンに手ぇ出してんだよ・・・」

振り返れば、神田が後ろから片手で
アレンを持ち上げていて、が居る分、
多少は重いはずなのだが、中々に凄い腕力だ。

「神田には関係ないんじゃないですか?
 どうせ、今日ももう食事済ませちゃったんでしょう?
 はまだご飯食べてなくてお腹空いてるんですから・・」

「うるせぇな。
 まだ食ってねぇんだよ。
 おい、行くぞ。」

「あ、ちょっと乱暴にしないで下さい!!
 そんな人にを預けられませんから!
 やっぱり、僕と食べに行こう!?」

そんな二人に、
は戸惑いの色を見せて
二人を見上げる。

「あ、ちゃぁ〜ん。
 いい所に♪
 あのさ、これから食堂行くんだ。
 一緒に行くかい?」

コムイは、二人の争奪戦を知ってか知らずか、
へらりと笑って、を優しく見下ろす。

はと言えば、
また話をややこしくするやつが出てきた・・と、
頭を抱えたくなった。

「おいコムイ。
 は俺と食堂に行く事になってるんだ。
 勝手に連れてくんじゃねぇよ」

「それは神田もです!
 は、僕と行きたいんだそうですから」

「ふ〜ん?
 は僕と行きたそうだけど・・」

「「気のせいだ(です)!!」」

終いには、廊下のど真ん中で喧嘩を始める。

は面倒くさくなってその場を立ち去ろうとする

その時、ひょいと後ろから抱きかかえられて・・


「よっ、おはようサ、☆」

顔の近くに、ラビ笑顔があって、
思わず驚きに飛び退いた。

「おっ、朝から元気だな〜。は」

言って、ニッコリ。
は、下からラビを睨みつけたが、
効果は全くと言って良いほどに無く、
むしろ可愛い可愛い、と頭を撫でられる。


「って、ラビ!!
 何、人がこっちで話してる時に
 抜け駆けしてるんですか!!」

ずるいです!とアレン。
神田もコムイも、怖い位に睨みを利かせる。

しかし、ラビはへらりと笑って、

「なぁに、お前等またの争奪戦?」

「ワリィかよ」

「こっちは、ラビに30戦中30敗してるんですよ!?」

「たまには譲ってくれても良いんじゃないかなぁ?ラビ」

言われて、ラビは頭を掻く。

「っつわれてもなぁ・・
 を此処に連れてきたの俺だし・・
 懐くってのは当然じゃね?」

「でも!!」

それでも尚、言い続けるアレンに続くように、
神田が棘のある声で言う。

「だいたい、テメェなんで
 との食事の時だけ食堂にいねぇんだよ」

そうすれば、さり気なく
彼女に近づく事も出来るのに・・

意味を含めると、コムイが
まさか・・と言う表情になる。

「ラビ・・
 まさかちゃんに変な事してるんじゃ・・」

ラビはニヤリと笑った。

「べっつにぃ?
 ただ、おねだりとかは、覚えておいた方が
 やっぱり可愛いんじゃねーの?」

「そっ、それは・・・」

その言葉に、アレンは何を想像したのか
顔を赤くして俯いて、
神田も、少し頬が赤く横を向いた。

「でも・・それなら僕がしっかり調教してあげるよ?

コムイは、ニコリと黒い微笑でに手を伸ばす。

「ぇ〜・・?
 でもさぁ、お手とかはもう覚えちゃったぜ?」

「お手って!!
 は犬じゃないんですよ!!?」

「テメェ・・
 になんてことさせてやがる・・・」

3人の黒い視線。
ラビは、溜息を付いた。

「わぁったわぁった。
 じゃぁ、に決めてもらえばいいじゃん。」

なぁ、?と、
ラビは微笑んで、軽くしゃがみ手を差し出す。

ラビの意見に賛成したのか、
3人もおずおずと手を差し出した。

4人の男から手を差し出されて、
は少なからず困惑する。


しかし・・・




踏み出した足は、


ラビの下へと行き、その手を取った。


「って、結局ラビになるんじゃないですか!!」

「はぁ・・まぁいいや。
 明日こそは、絶対に奪い取るよ?」

「チッ・・・
 お前がを良い様に出来るのも、今日までだ。」


3人は、最後の遠吠えでそう言い残し、
そのままその悲しみを紛らわすように
足早に走り去っていった。


ラビはその3人の姿に満足そうに微笑むと、
をヒョイと抱き上げた。


「ぅし、じゃぁまた俺の部屋に行くか、

  今日は、おかわりの練習な!!」


「にゃあ」


まだ幼さの残る声でそう言って、
耳をピクンと震わせる。


「ん〜・・・
 やぁっぱ可愛いサ〜、!!」

そのふわふわの体に頬を摺り寄せると、
は擽ったそうに身を捩って
また一つ鳴いた。


その黒い大きな瞳が
ラビを映して、柔らかく閉じた。











「ぅ〜・・ラビばっかズルイですよ!
 僕、無類の猫好きなんですよ??」

「チッ、喚くんじゃねぇよ。女々しいな」

「あれ?そうゆう神田君こそ、
 部屋に用の猫じゃらし買ってあったよね。
 まだ使ってないけど」

「なっ!?」

どうしてソレを!?
神田の驚きに、コムイはニコリと笑った。

「僕をなめちゃダメだよ〜?神田君v」

「うぅ・・
 の肉球・・プニプにしてて気持ち良さそうなのに・・」

「えぇ〜・・アレン君てばセクハラ〜」

「コムイさん!!」








誰にも

誰にもこんな至福


渡すものか


愛らしい君は


いつでも ずっと

自分だけの物・・・・


                          ―fin...



30000hitを踏んでくださった蘭香様に愛を込めて。

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