腕を伝い地に滴る

彼女の赤い涙は

なにより心に


焼きついた――・・・・・






I think









ぼーっと眺める青い空を
白い雲はただ流れていく


風が吹けば、カサカサ揺れる葦の長い雑草。

腰掛けて、柔らかい感触を肌で感じる


青臭いような、独特の香り。

そこに混じるのは、異質な鉄臭さ



横には、真っ白な体が横たわる。

先ほどまで温かかった体は
氷の様に冷たくて

それでも尚、美しかった。



・・・・・」



そっと、柔らかい髪に手を添える。
そして、そっと頬に手を下ろし、
形の良い唇をなぞった。


『ロード!!』


さっきまで、この唇は笑顔で
自分の名前を呼んでいたのだ。

そう思うと、とても不思議な感じがした。



「僕はねぇ、
 がだぁッいキライだったんだよぉ?」

もう動かない体に、手を添えて話しかける。

異質に黒く染まる土。
彼女の周りだけが真っ黒に染まる


なんか、大嫌い。
 勝手に、人の中にズケズケ入り込んできてさぁ」


そして結局、自分の心を持っていってしまった。

もう、逢えないのに・・・・


「・・・人間なんて、脆いもんだねぇ」


少し・・・・


ほんの少し、望んだだけだった。


ソレなのに、は呆気なく壊れてしまった。

自分の手を滴るのは
彼女の深紅の涙。


『ロード・・大好き』



自分の心に焼きつくのは

彼女の何より優しい言葉。


「・・・・絶対に生まれ変わらないでよねぇ?
 ・・・・」


もう、こんな思い


したくは無いのだから。




もう、自分は・・・


を、愛したくないんだよぉ・・・」



あんな風に、自分を愛してくれた人


あんな風に、自分が愛せた人

一生に一人で、十分だ


あんな辛い思い、もう、したくない・・・・






「だから、・・・」


もし、生まれ変わったりして


自分の目の前に現れたりしたら


そしたら

また・・・




「ボクが
 もう愛さなくてもいい様に
 消してあげるからねぇ・・・・」



だから、

もう辛い思いをさせないで・・・・




                   ―fin...



阿弥若様に捧げます。
アレンかロードで感動系との事だったので・・・
ご期待に添えていれば良いのですが;汗

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