「唐突ですが、さんに突撃インタビュー!!」


「・・・何なんですかいきなり。しかも苗字呼び。」


進む汽車の中、突然ちょっと壊れちゃった感じのラビのテンションに
ぶっちゃけちょっと引く。


何よそのどっかタガが抜けちゃった系のテンション。

何処に何本ネジ落としたの。


「・・・こういう時はテンション合わせてほしかったさ・・・」


「なんで私がそんな壊れちゃったテンションに付き合わなくちゃならないの。」



ふぅっと溜め息をつけば、項垂れていたラビは復活して。


「こういうんはノリさ!」

「私はさしてノってない。」


知るかそんなん。


言ったらラビは、相向かいの席でムスくれた。


呆れた様に溜め息をついて、窓の外を見る。

晴れた秋の空に、ポツリと浮かぶ雨雲。



・・・これから、少し荒れそうだ。



「で?」

「んー?」


ヤレヤレとラビに言えば、拗ねた声。

18にもなって、そんなあからさまに拗ねないでよ・・・。

ちょっと呆れてみたり。


「質問あるんでしょ?何?」

「・・・・あー・・・
 出来ればノリに任せて聞きたかったというか・・・」

「何よ、3サイズなら教えないわよ。」

「ちっちげーさ!!」

「あらそう?この間ノリに任せて聞こうとしてたから
 またそれかと思った。」



ちょうど3日前。ちょうどこんなノリで。

違ったんだ?と結構素で聞いたら、ラビは息を詰まらせて。

ああもう、また拗ねてるし。


「おーい、そんなんだと答えてあげないよー?」

「うー・・・じゃあ聞くさ、

「はいはい、何ですかー」

「今、好きな奴とかいるん?」

「・・・・いるよ。」


子供を相手にするみたいに言えば、返って来たのはそんな質問。

少しの間の後答えれば、ラビは豆鉄砲喰らったみたいな顔。


「・・何よ、私に好きな人が居たらまずいワケ?」

「い、いや、そうじゃねえけど・・・だ、だれ?」

「リナリー。」


ズダァン!!と、ラビがハデにずっこけた。

・・・立ってもいないのに器用な奴。


「おっおまっ!!?ちょっそういうシュミ!!?」

「あの教団の中で唯一の友達だもの、好きに決まってるじゃない。」

「あ、ああ、何、そういう事・・・」


危うく禁断の世界覗くトコだったさ・・・

呟くラビ。アホか。


「んじゃ、2番は?あ、女以外。」


だから、ミランダとかは無し。


チッ、先回りか、ラビのクセに。


「ティムキャンピー。いいよね、あの手。」


またズダァン!と、ラビがコケて。


・・いい加減、往来の邪魔じゃない?



「因みに三番は65.あの幽霊っぷりが素敵。」


「幽霊ってお前・・・いや、幽霊だけど・・・」


せめて生き物で答えてくれよ、後半生きてねえじゃんよ・・・


道に座り込んでブツブツ言うし・・・


その時、車内アナウンスで目的の駅に着いた事を知った。

ほらラビ行くわよ、と促せば、ラビは未だブツブツ言いながら立ち上がって・・・


「クソ、結局肝心な事聞けてねえし・・・」


言ってる声は、結構筒抜けだ。


「まあ、そうねえ・・・」

「んー?」


返って来たのは、やっぱり拗ねた声。

言ってやるのは癪だけど、癪だからこそ、ここまでした意地悪よ。


まあ、許してあげてよね。


「男の中では、ラビが一番好きなんじゃない?」

「・・・・へ?」

「まあ、そういう事。
 さーって、さっさと教団戻りましょうか。」


言って伸びをしながら歩くその後に、慌てた様子でラビが着いて来た。


「ちょ、、今のって・・・!」


「さーてさて、何のことかしらー。
 もう言ってあげないんだから聞こえなかったは無しね。」


「っい、良いさ、今度からは俺が言うし!」


「女に言わせてから言うなんてどんだけ根性無しよアンタ」


「〜〜〜〜それでも、好きサっ」


「・・・・まあ、受取っておきましょう」




えなくて、
素直になれないから言った意地悪も、愛の形、ね。





special thanks[哀婉

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