始まりがあって 

終わりがあり

終わってから

また始まる

そんな、私たちの生き方は

いつでも いつまでも

変わらない・・・・






まりと わりは
一体







果てしない時の中、続いてきた裏の戦争。
誰もが必然的に巻き込まれ、けれどもその殆どが
存在すら知らない戦争。

私は、当事者。
この戦いを知ってしまい、戦争のために動く。

―― 兵 隊 ――

”神の使徒”なんて呼ばれてても、所詮は兵隊。
代わりなんて、幾らでもいる。

それこそ、この世界に五萬と。

そうして作り上げてきた、この戦争なんだから。


だから・・・

この何千年と続いた戦争だから、


聞きたい。

聞かなくちゃ、やっていられない。


「ねぇ、ラビ?」

「ん?」

「この戦いに、終わりがあると思う?」


尋ねると、ラビは会話に興味を持ったらしい。
読んでいた本をパタリと閉じて、視線を持ち上げた。


「どうしたんサ?いきなり」

「ぃゃー・・・なんとなく・・かな?」


そう、理由はと言えば『何となく』

でも、なんとなく、聞かないと

果てしない戦い。

先が見えなくて

気が遠くなり

このまま、蹲ってしまいたくなる。

楽になる方向を、求めてしまうから。


「キューブが発見される前の7000年の時の中でだって、
 何百の適合者が生まれて、終末を見届ける事も無く、死んでいった・・・
 私も、その中の1人になっちゃうのかな・・・?」

漠然とした不安は、募る。


「いんや。終わらせるサ。」


ラビは、きっぱりと言った。
それが、あまりにも言い切った言葉だったから、
私は一瞬固まってしまった。

「始まったからには、どれだけ長くても終わりがある。
 切り離せない関係だかんな。」


柔らかく頭を撫でてくる、その手が好き。

言い聞かせるように柔らかい、その言葉が好き。

私の全てを、安心させてくれる。


「もう始まっちまって、
 いつかは終わらせなくちゃならない戦いなら・・・・

 だったら、俺たちの手で終わらせてやるサ。」

そう、ニッコリと微笑んで。

その微笑で、私は勇気付けられる。

「やっぱ、意味もなく戦って死んでくんじゃ、イヤっしょ?」

そんなの・・

そんな事・・・・・


「当然。」

私は、上手に笑えていた?

ラビは、私の答えに満足したように、ニッと笑った。

彼らしい、ちょっと子供っぽい。
そんな、無邪気で優しくて暖かな笑顔。

そう、終わらせるんだ。

この手で。

何もしないで死んでいくなんて、真っ平ゴメン。

選ばれたからには、やるべき事を成し遂げてやる。

そして・・・・

「約束だもんな。?」


「うん。」

そう。

未来への、漠然とした不安は常にある。

今だって、この戦争以外にも、未来への不安は、たくさんだ。

それでも

始まりがあって、終わりがあり、そこからまた、始まる

そんな表裏一体の原理があるから


「この戦いをさっさと終わらせて、
 一緒に幸せになろーぜ。


私たちは、頑張れる。

戦の終わりの後に待つ
 幸せの始まりに向かって


                       ―fin...





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