この応接室は、風紀委員の活動拠点。



・・・・と言う名の、女王様のアジト。


この応接室の女王は、はっきり言ってバイオレンス。

だれも口答えなんて出来るわけがない。

そんな男気溢れる男子が居たら、
自分、ちょっと惚れちゃうかもしれない。

なんて、そんな事すらも口には出来ないわけでして、

今日も女王様は、召使を顎で使う。


「目障りな奴等、適当に狩っておいてくれる」


無茶な事を言わんで下さい。


「少し寝るから、起こしたら噛み殺すよ?」


何もこんな所で寝なくても良いんじゃないですかね?


「この書類、明日までに処理しておいてね」


はいはいはいはい、わかりましたよ、やっときますよ。


「ねえ、」


今度は何ですか。


「こっち来て。」


この並盛で、女王様に逆らえる人間は居ない。
特に、風紀の下っ端の下っ端の更にまた下っ端・・・

要は雑用係とも言うべき自分が、そんな恐れ多い・・・
ってか命知らずな真似出来る訳がない。

大人しく女王様の前に行けば、繊細な指が髪を撫でて
ソッと口付けを落としてくる。


それはあくまで自然に、そうである事が当然の様に。


なんとも反応し損ねている自分に、
女王様は、機嫌でもいいのか、笑って見せた。


「君はずっと僕の物だ」


「・・・・・・・。」


「他の奴に渡すくらいなら
 今此処で、君を殺してあげるよ」


「・・・・結構ですよ」


「うん?」


「いえ、なんでも」


ささやかな抵抗すら口に出来ない自分、
チキンスープにでもなっちまえ。


っていうか、いつの間に自分、この人の物だったんだろう?


きっと『者』じゃなくって『物』って所がポイントなんだ。



「その心も。
 君は僕だけを見てれば良い」


「・・・・・・・。」


「わかった?」


「・・・・・・・・・はい」



このチキンスープめ・・・・・。

口の中で間誤付いた挙句に出てきた答えは、結局肯定なのだから、
目の前の女王様はさもご機嫌だろうに。


そして、ご機嫌がもう一人、此処に。


結局は、この絶対的な女王様を
自分もいたく気に入っているのだった。


独占欲の強い女王様。

並盛は、女王様の国。

応接室は、女王様の城。


この応接室の女王は、はっきり言ってバイオレンス。

だれも口答えなんて出来るわけがない。

そんな男気溢れる男子が居たら、
自分ちょっと惚れちゃうかもしれない。


なんてのは冗談で、自分は既に、女王様の『物』として、
そんな感情は許されたものではないわけで。


今日も女王様は、召使を顎で使う。


「ねえ、」


召使は今日も気弱を理由に、女王様に望んで服従している。


此処の女王は、最恐で

その召使は、恐らく最狂









絶対服従、応接室
貴方に逆らう理由を、私は見出すことが出来ないから


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