本日8月17日。


私の誕生日。


一般的には、お祝いされる立場・・・のハズ。



「ねー骸ー?」


「なんです?」


「今日ってね、『パイナップルの日』らしいよ?」


「・・・・何が言いたいんです?」



目の前の骸の顔は、
ニッコリと明らかに怒りの影を落とした。



「いやー別にぃ?
 私はただ、そうらしいよーって言っただけですよ?
 裏も表もありゃしませんて」



言って、はっはっはっと笑う。


そんな私を見てか、骸は相変わらず
笑みを象ったままの怒り顔のままで携帯を取り出して
どうやら相手は千種らしいその人に電話した。



「ああ、千種ですか。
 いえ、別に用と言うこともありませんよ。
 あとで犬を僕のところに来るように言ってもらえますか?
 ええ、じゃ、お願いします。」



ほぼ一方的にプツリと切られる電話。

呆れた様に、溜息。



「骸ー。犬ちゃん当たったらいかんでしょー?」


「おや?僕は何も言ってませんよ。
 ただ用があるから来いと言っただけです。」



あくまでもニッコリポーカーフェイス。

絶対に八ツ当たる気だ、この人。

犬ちゃんに、合掌。礼。



「で、ついでに私の誕生日でもあるんですけど?」


「おや、そうなんですか」


「・・・・何か言う事あるんでない?」


「さて、貴女は何を言って欲しいんでしょうね?」


「・・・・・この鬼畜・・・・」


「クフフ・・・何とでも」




コノヤロウ、ちょっと苛めた仕返しかよ。


倍返しどころか、精神的に10倍返しかよ。

大人気ない。



「・・・ご機嫌取りでもしたら良い?」


「貴女に出来ますか?」



挑発するような、目。


赤と青のオッドアイ。


見つめるだけで、支配されるような気にさえなる。


そんな、瞳。


鼻で、嗤った。




「死んでもしてやるものですか」


「・・・まあ、貴女ならそう言うでしょうね」




言って、あの独特の笑い方で笑った。


相向かうソファ。


テーブルを挟んで、向こう側。


湯気立つ紅茶を乗り越えて、身を乗り出す。



当然の様に笑っている骸の頬に、キスを落として。



仕方ありませんね・・・

彼は、そう言って瞳を伏せた。



「今日は、特別です。」



そう言って、骸は不安定な体勢の私の腰にソッと手を当てて
そのまま体を引き寄せる。


器用にテーブルを跨がせて、自分の膝の上へと
私の体を定着させた。



「・・・随分と技が身に付いてるじゃないの?」


一体誰で技を磨いたのかしらね?



言う私に、骸は笑って誤魔化して・・・




「ま、今日は誤魔化されてあげるよ」



笑い返して言えば、ゆっくり確かめるような仕草で
骸は唇へとキスを落とした。



「H a p p y B i r t h d a y」





U nd der Will' s nicht leiden.
欲しい物は目の前の貴方しか持ってないんだもの。










こっちに進出自分で祝おうお誕生日企画第二段。
私の誕生日はパイナップルの語呂合わせらしいですよ。
てなワケでネタの関係上誕生日が固定扱いです。すみません。汗
これでも一応は無期限フリー扱いです。

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