運命の再会6 |
「だああもう、死ぬ!死ぬかと思った!!!」 が、ゼエハアと肩で息をしながら床にヘタレ込む。 見れば、何だかんだでみんな同じような状態だった。 水の排出機能も、在ってない様なもの。 雪花の遺跡に付くと同時に、潜水艦は水の底に沈んで行った。 ああ恐ろしい。 僅かに濡れている靴に目をやりながら身震いする。 「、体は・・大丈夫か?」 「え?あ、うん。・・・何とも。」 「そうか。」 ツルツルした不思議な感触の地面に手を付いて息をついたら セネルが声を掛けてきて、は視線を逸らすように答えた。 ・・・まだ、そうだって決まったわけじゃないのに・・・ なんでそんな心配するんだよ、馬鹿。 そんな感じで。 「此処は本当に、雪花の遺跡の中か?」 その後は、何事も無かったかのように セネルがキョロキョロと辺りを見渡す。 それに習うようにして、も辺りを見渡した。 雪花の名に恥じない、目が痛くなるほどの白一色に囲われた遺跡。 水を映す透明な床は、自分たちの姿を真逆に映している。 「間違いないよ。床も壁も白いし。」 「だから、『雪花』の遺跡なんだ?」 「そゆこと。」 モーゼスが床にしゃがみ込み、ツルツルの床に手を触れる。 変わった材質じゃの・・とか呟く声が聞こえた。 遺跡内は声が反響するから、小さな呟きでさえも簡単に聞こえてしまう。 「さて、今からが本番だぞ。」 遺跡内を観聞していた一同に、ウィルが気を引き締めたように そう声を掛けた。 途端、空気がピリっと緊張する。 「シャーリィを取り戻し、此処から脱出する方法を考えねばならん。」 「来た道戻るわけには行かないもんねえ。」 「まさか泳いで戻るのは無茶があるでしょ・・・」 「その通りだ。 気を引き締めていけ。・・・・特にノーマ。」 「やっぱりあたしなの!!?」 皆が頷いた後に付足した名指しにノーマが焦る。 ウィルは、僅かに溜息をつきながら 「どうもそう言わないといけない気がしたので」とか言ってる。 頷く一同が、軽くポイントだ。 「ま、まあホラ、みんな頑張りましょねーって事で。ね。」 地団駄を踏むノーマに、がそう付け加えて、 とりえず進もうと皆を促し、扉を開けると真っ先に足を踏み入れた。 三方に開く扉を通り抜けた先は、やはりドーム型の白い空間。 その真正面に見える壁には、ジェイが好んで使う オレンジ色の星のマークがあった。 出発前にジェイが言っていた、 『星印のついた壁を調べろ』と言う情報を思い出す。 ・・・あれ?コレ、もしかして・・・? サーっと血の気が引ける。 ・・・ヤッパリ自分、アルツハイマーかもしれない。 若年性アルツハイマー。 「『星印の付いた壁を調べろ』って ジェージェー言ってなかったっけ?」 「この壁の事か?」 「ね、ねえ皆、あんまり下手な事しないほうが良いんじゃない? ホラ、ジェイってばああいう性格だからさ。 下手な事すると、とんでもない事が起きたりして・・・」 「あン?なんじゃ嬢。唐突に」 「何か調べられたら不味い事でもあるのか?」 ウィルとモーゼスに、訝しげに見られる。 イヤ、あるんだけれども滅相も無いッス。 滅相もないんだけれども・・・ 「まあまあ、ジェージェーの情報だし平気でしょ! どれ!あたしにまっかせて!!」 「あっ」 止める間も無しにノーマが壁に走りより、 唸りながら何か調べ始める あっちへ行ったり、こっちに行ったり。 ―― ドゲシ!! 唐突に壁を蹴り上げた。 ・・と、星の付いた壁は頭上へと持ち上がり、 その先に、新しい扉が現われる。 「どう?ざっとこんなもんよ!」 「適当に蹴っただけだろ!!」 言うけれども、ノーマはさっさと走り出し、皆が後に続く。 「あ、ちょ、あのみんな・・・」 止める間もない。 ゴゴゴゴゴ・・と重たい音を立てて開いた景色は なんか一回見たことがあるもので・・・ 「この場所は!!」 「やられた・・・・ ジェージェーのやつう!!」 「こん場所、見覚えある気がするのう。」 当たり前だ。 以前に雪花の遺跡を訪れた時、ジェイから情報を貰ったのが まさにこの場所なのだから・・・ 「気がするじゃなくて、見覚えあんの!!」 「私たちのこれまでの苦労は、一体・・・」 「いいように実験に使われたってワケね・・・」 ノーマが地団駄を踏み、次に会ったら覚えてろ〜!!とか叫ぶ。 いやあ、見張りの兵に見つかるんじゃないかなーとか、 軽く現実逃避で。 ・・・嗚呼、また睨まれてます、私・・・ 「あの・・ゴメンナサイ・・・・」 ・・・・次に会ったら覚えてろ、ジェイ・・・ |