がネット際で高くトスを上げる。 膝を深く曲げる形になった自分に、人型の陰が降りてきて 次の瞬間、バシーン!と小気味良い音と共に、悠姫のアタックが決まった。 「流石元バレー部部長!」 「くぅっ普段お惚けてる悠姫がこんなに動けるとは・・・!」 「えー、でも砂に足取られてあんまり動けてないよー?」 「ハイハイ、20対20ー」 ところでデュースはどうすんの? 審判のヒロが問いかける。 「「あり!!」」 との声が揃った。 「・・・・あんた等、白熱しすぎだから」 周り、軽くギャラリー出来てんじゃないの・・・・ 呆れた様に、ヒロが呟いた。 ゲームセット 「クッソーやっぱかなり悔しいなー・・・・」 「何言ってんのよ、結局30点以上デュース続けたくせに・・・」 ぼやいたに、ヒロは呆れた様に言い、 「でも似合うなぁ、その格好」と悠姫。 っていうか!!と、民宿の少し古びた畳の上に、思わず立ち上がった。 ヒラヒラのスカートの裾が、ちょっとだけ揺れる。 「なんっで悠姫には今月新刊の漫画全部買わせるとかなのに 私にはこう身体で払え系な罰ゲームなんだ!!!」 答えろ!!と 指差した先では、 構えていた携帯から「へ?」とか言って顔を覗かせた。 同時に、「シャキーン」とか言う電子的なシャッター音。 コイツ、写メ撮りやがった・・・・・ 試合は結局、34対36でチームが勝ち上がり。 ポツリポツリと雨が来て、波が高くなってきたので 海から上がるようにとか言う放送で民宿に戻る事になって、 夕食と温泉を堪能してから、さっそく嬉々として罰ゲームを言い渡された。 って言うか、本当に海にメイド服を持ってきてたコイツって、一体何なんだ・・・ 「そりゃあやっぱり、オタク仲間のさんに コッチの世界入ってきて欲しいって言うか?」 「あー、でもとはオタクでも色々差があるよね」 「うんうん、はガッツリ行き過ぎだよね」 「なにおぅ!?だってすぐにこの位になるって!」 「いや、私まだそこまでノーマルの域出てないと思うんだけど」 「しかしながらソレもその格好で言われては説得力ないかと・・・」 「あああぁぁぁ・・・言ってくれるな我が友よ・・・・」 ヒロにズバっと言われて頭を抱える。 ああもう、そろそろコレ脱いでいいですか。 「そう言えば、結局カイト君の方はどうなったの?」 「あー、うん。」 まだ聞いてないんだよねぇ、と。 ビーチバレーが終わってすぐに入った放送、そしてその直後に 夕立だろうか、大雨に降られてしまって、大慌てで。 結局カイトからの罰ゲームが何なのか、まだ聞いていない。 まあどうせ、ダッツ●個買って下さいとかその辺りだろうな、なんて 割と勝手に見当をつけているが。 「よっし、んじゃ。」 「はい?」 「カイトん所行って罰ゲーム聞いてきたら、それ脱いで良いよ。」 「・・・・・・・・・・は?」 思わず、素っ頓狂な声を上げた。 はニマニマ笑っている。 え、ちょっと待って カイトの所に行ってから、脱ぐの? 「って、コレで民宿内歩けってか!!!」 「まー、大丈夫大丈夫。ホラ、隣の部屋だし」 「いや、そういう問題じゃない・・・・っ っていうか、もちろん悠姫も行くんだよね!?罰ゲームだもんね!!?」 「えー、だって私、もうカイト君にアイス買ってあげたしー」 「い、いつの間に!!?」 「んー、夕飯食べ終わってすぐ?」 だから私罰ゲーム全部終わったーと、ニッコリ笑顔で悠姫。 ぬ、抜け駆け・・・・!! 「って言うか、最近私完全に弄られキャラになってきてない!!?」 「まーまー、細かい事は気にしない気にしない。 消灯時間までには戻っておいでよー」 「し、消灯時間って何時!」 「えーっと・・・・夜の3時くらい?」 「ンなに行ってられるか!!」 一体どれだけ遊びに行かせてるつもりだよ!と 怒鳴り倒すも、3対1では分が悪い。 あーはいはい、分かったからいってらっしゃーい、と 軽く送り出されてしまって項垂れる。 背中を押されて、半ば無理矢理廊下に放り出された。 御丁寧に、中から鍵の掛かる音が聞こえる。 そこまでするか、コイツ等・・・ 思わず扉の前で顔を引き攣らせたけれど。 廊下の隅から、人の笑い声がする。 あ、ちょっとヤバイ、これ見つかる。 項垂れている場合じゃない、とか 慌ててカイトの部屋の扉をノックした。 |