貴方に託すのは、私の未来 進む道指す、光の導 その 背 を 蹴 り上げた 最終決戦前。 聖爪術が貰えなかったはずのセネルは いつの間にか、 晴れ晴れとした表情で、その力を手に入れて・・・ 横には、クロエ 嗚呼・・・彼女は頑張って彼の背中を押したんだ 私は、置いてけぼりを喰らった 「・・・おつかれさま」 そう言って、同じ気持ちを抱く彼女の肩をソッと叩いた。 クロエは、泣きそうに微笑む。 同じ気持ち・・と言うのは、少し語弊があるかもしれない。 少なくとも彼女は、セネルと肩を並べて対等の立場で向き合っている。 遠くから眺めて、この気持ちにヤキモキするまま、何も出来ない自分とは違う。 なんだかな・・・と、は一人溜息を吐いた。 「どうかしたのか?」 みんなは作戦会議とかしてるけれど なんとなく、今は仲間の輪に入り込めなくて、 一人、海岸の端に座って海を眺めて私に、 ご丁寧にも本人が話しかけてきた。 一体、何のために仲間の輪から離れてると思っているのだか・・・ 「なんでもないよ。 良かったね、セネル。聖爪術、手に入って。」 笑顔をどうにか貼り付けて言ったら、 セネルは少し困ったように笑った 「ああ。コレで、シャーリィを迎えに行ける。」 今は敵対関係にある彼女の名。 セネルの口から出されて、心臓が止まりそうな程、苦しかった。 けれども、どうも引っかかる 「・・・・あんまり・・嬉しそうじゃないね?」 問いかけたら、一瞬驚いたように目を見開いて それから、俯いた。 波の音は、ヤケに高く聞こえる しばらくの間があって、セネルはポツリと呟いた。 「・・・・まだ・・・迷っているんだ」 「迷ってる?」 「ああ・・・・。 俺は・・・・もう迷わないと決めた。 でも本当は・・・まだ、迷ってる」 波に掻き消されそうな声で、 セネルは、の隣に腰掛けて 遠く海を見つめた 「シャーリィに全てを告げる事自体に 俺はなんの迷いも無い。俺の気持ちと一緒に・・ 全部、伝えるつもりだ。 けど・・・真実を知ったシャーリィは 光跡翼を止めてくれるか・・・・?」 ああ・・・まったく・・・ この人は、やっぱりニブなんだな・・ それとも、ある意味狙ってるのか・・・ 相談したら、一番心痛いであろう人物2人に わざわざこんな話を持ちかけてくるんだから・・・・ 「それは、セネルの気持ち次第だよ。 セネルの気持ちが、本当に強ければきっと伝わる。 気持ちに正直に、真っ直ぐに向き合って話せるなら きっと、大丈夫」 「・・・そうだと・・・いいんだが・・・・」 ああもう・・・グジグジだ。 さっきの勢いはどうした ジェイと真っ直ぐに向かい合った さっきの勢いは・・・・ 「情けないと・・思うか?怖いんだ。もしもの時・・・ 俺は、本当にシャーリィを手に掛けることが出来るのか・・・?」 「・・・・・本っ当に、情けないね」 「ぇ?」 ポツリと呟いて、スッと立ち上がる。 セネルを見下ろす形になって、 どうした?とでも言いたそうな顔をコチラに向けて・・・ 「今更、グジグジ言ってても仕方ないでしょう!」 思わず、声を荒げた。 「そ、それはわかってるさ!でも・・・・」 セネルは引け越しになりながらも言い返す。 ああもう・・・やっぱりグジグジ。 決意固めたクセに、早くも折れそうになってるのか・・・ 情けなくて 情けなくて・・・ だから、私は・・・ その背中を蹴り上げた。 「いっで!!?」 不意打ちしたそれに、思考の追いつかなかったセネルが 思い切り砂浜に倒れこむ。 は、仁王立ちして腕を組み そんなセネルを見下ろした。 「なにすんだよ!」 「信じてるから!」 「!?」 これ以上、私の気を揺るがすような事はしないで 弱さに漬け込んでいきそうな自分が怖い。 だから・・・ 「アンタが信じなくてどうすんの!? 私は、信じてるから!セネルならダイジョウブだって! 信じてあげてるんだから・・だから・・・ 命張るつもりで、信頼にこたえなさいよバカ!」 泣きそうになるのを必死で堪えて、 叫ぶに近く怒鳴りつけて 居たたまれなくなって、思わず砂浜を さらに人がいない方へ走った。 だから、セネルがどんな顔をしていたのかもわからない。 一人で海岸に立てば、どうしようもなく視界が滲んできた。 「アンタには・・責任が・・あるんだから・・・」 気持ちを伝えたシャーリィと 背中を押したクロエと・・・・ 私は今、同じスタートラインに立った。 シャーリィが戻ってきたならば 彼女と、友達になろう シャーリィとクロエと、自分の気持ちと 真正面から向き合おう。 その為には、セネルにしっかりして貰わなくちゃ・・・ そうでなくては、シャーリィが戻ってこないから・・ だから・・ 愛しい背中を、蹴り上げた。 ―fin.... |
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