永遠を願うなら この手 離さないで いつまでも 一緒にいさせてね それがきっと”永遠”になるから・・・ 君 の隣に居 る 事が 空は何処までも高い。 頬を過ぎる風が、冬を告げていた。 痛いほどに、鋭く撫でる。 そんな風。 雲が流されていく。 寄せては反す、そんな穏やかな海をボーっと見つめていた。 「何してるんです? こんな所でボーっとしてると、風邪引きますよ?」 ふと、後ろから掛かった声に振り返りもせずに。 その少し生意気そうで、でも優しくて・・・ そんな聞きなれた声に、返事を返す。 「残念でした。 何とかは風邪を引きません〜」 肩を竦めて言ってみせた。 呆れ声が後ろから返る。 「それ、自分で言う事ではないですよ」 そうかな? 小声で返事をする。 そうです。 溜息交じりの答えだった。 衣擦れの音と一緒に、風が動いて 隣に彼が座る。 「それに、上には上がいますしね」 「えー・・・? 誰だろうね。どっかの山賊の首領カナ?」 クスクスと笑って言う。 彼・・・ジェイもまた、声を上げたりはしないものの笑ってた。 風がまた、過ぎ去る。 あぁ、こんな時がずっと続けば良いのに・・・ ソレが叶わない事くらい、知ってるけど・・・ 「で、何してたんです? セネルさん達も、心配してましたよ」 「んー・・・? ・・・そう・・・だねぇ・・・」 濁した答え。 疑問に思ってジェイはを見た。 変わらないはずの笑顔が少し、儚く見えて―・・・・ 「ぼくも、心配です。」 思わず、言葉が零れた。 驚いたようにジェイを見たら目線が合って、 反射的に思わずお互い逸らしてしまった。 「し、心配・・・かけちゃったんだ」 あはは・・・なんて誤魔化す笑い。 「ま、まぁ”それなり”ですけどね」 勘違いしないで下さいよ?と誤魔化す言葉。 それから、暫くの沈黙が痛かった。 居心地悪くて身を捩る耳に 穏やかな波の音。 砂を攫う柔らかそうな波は、 少し前の時ではあんなにも、人の命を奪ったものなのに・・・ 「海、キレイだね」 「ぇ?」 唐突なの呟きに、ジェイが首を傾げて見やる。 はフワリと微笑んで言った。 「綺麗じゃない?凄く。 優しくて、穏やか。少し前の海が、嘘みたい」 その笑顔が、あまりに優しくて ジェイも遠くの海を見つめて頷いた。 「そう・・・ですね。」 「この海見てるとさ、 『永遠』だって、もしかしたら在るんじゃないかなーって 思っちゃうんだよね」 「『永遠』・・・ですか?」 首を傾げて、問いかけ。 はただ頷いて、海は寄せては返す 「あるはず無いのに。願うんだ。 こんな幸せなときが、永遠に続けば良いって。 ずっと、皆といられる時が・・・ずーっと・・・・」 あるはず無いのにね。 そう言った表情は、何処か寂しそうで・・・ 「在るんじゃないですか?」 「ぇ・・・っ?」 唐突な言葉に、目を見開いた。 「不変のものは無い。 ソレは、この世界の理の様なものです」 「・・・・うん。」 「でも・・・・ ”幸せを願う気持ち”は、誰かの心に・・・ ずっと続くものなんじゃないですか?」 「幸せを・・・願う・・・・」 例え、愚かな事とわかっていても・・・ 「ぼくは、そう思いますけどね」 それでも、幸せを願わずにはいられないから・・・・ その、言葉に・・・ 「じゃあさ」 思わず漏れた言葉は・・・ 「ジェイとずっと一緒にいたい、 なんて、愚かな願いでも?」 そんな、問いかけ。 予想通り、ジェイは驚きに目を見開いていた。 でも、思ったよりも早く、落ち着きは戻ってきた。 「それが、貴女の”幸せ”なら」 それはきっと、不変のものだと・・・・ 「ジェイは意地悪だなぁ・・・」 呟き。 だって、”永遠”に対しての答えしか、返してくれない。 「今に始まった事じゃないですよ」 答え。 だって、そんな願いにどう答えられるだろう。 不器用だから、近づけなくて―・・・・ 「じゃぁ、せめて・・・」 ねぇ、せめて コレ位、聞かせてよ 「これからも、一緒にいてくれる?」 少し勇気が無くなって、海を見つめながら言った。 綺麗な海 穏やか海 優しい海 広い、青い海に変わった瞬間から 怖くて仕方なかったのに・・・ これで、全部が終わってしまって 何時、『その日』が来るのだろうと・・・ ”さようなら” そう言わなくてはいけない日が・・・・ 「・・・くだらないですね」 「・・・そっか」 ジェイのその答えに、俯いて。 それから、精一杯の笑顔で言う。 「ごめんね、くだらない事聞いて」 「全くですよ。 そんな当たり前のこと、今更聞くんですから」 「・・・・・ぇ―・・?」 サラリと言われた言葉。 目を見開けば、呆れ顔で照れた彼がいて・・・ 「これからも一緒にいるなんて、 今更でしょう。そんな事」 これからも、ずっと・・ 離れるつもりなどないと・・・ その、言葉・・・ 「・・・・そっか・・・」 呆然と呟いて。 立ち上がって差し伸べられた手を見つめた。 「ホラ、早く戻りますよ。 セネルさん達の事ですから、どうせまだ心配してます」 「・・・・・・ん。」 頷いて、その手に触れて、立ち上がる。 同じくらいの目線で、視線を合わせて 軽く触れるだけの、口付け。 温かな人肌が繋いだ手から伝わる。 「ああ、それと。」 「?」 歩み始めた2人に、口を開いたのはジェイ。 含む笑みで、を見ていた。 「さんの”幸せ”ですけど・・・」 「うん?」 「愚かだと言うのなら、 僕の幸せも、愚かな事に成ってしまいますね」 「ぇ・・・・っ?」 その言葉に、思わず問い返そうとして その言葉を遮るような、口調・・ 「詳しくは、秘密です」 「っやっぱ、意地悪。」 ふて腐れて見せて、二人で笑って、歩いた。 海辺を、並んで 晴れやかに笑う二人を見つめるのは 綺麗で 穏やかで 優しい―・・・・ そんな、海だけ ― fin.... |
- CLOSE -