フワフワ あったか 君の背中―・・・・ 君 と 僕 の 方程式 「ん〜・・ギートの背中あったか〜い ![]() 語尾にハートマークをつけて、はギートの背中に頬をくっつける。 ギュウッと抱きしめると、トクン・・・トクン・・・と生き物の脈打つ定期的な音。 案外手入れが届いているのか、その毛はフワフワと柔らかくて ポカポカのお日様の匂いがする。 当のギートは、本来この背にも垂れるべき友を見上げて クーン・・・と一つ、声を漏らした。 「くぉら、! ギートの背中はワイの特等席じゃ!さっさと退かんかい!!」 その声を聞いて、友・・・モーゼスは遂に、声を荒げる。 にギートの背中を追い出されてから、 小一時間はずっとこの調子で、 自分にしては、まあ長く我慢した方だろう。と、自己完結。 ギートの背中を争って、グイグイ押し合いが始まった。 「やーだー。 ギートの背中、春の匂いがするんだもーん」 引き離そうとするモーゼスに、 ギュゥっと尚抱きつく。 自らの背で喧嘩を始める二人に、ギートもいよいよ困り果てた。 「ほぅれ、ギートも困っちょるじゃろ。 はよ退かんかい」 「モーゼスが重いからでしょー? もう少しこのままー!」 一進一退・・・と言うよりは、50歩100歩。 ヤレヤレと言った感じの喧嘩は続く。 「〜〜〜んじゃぁモーゼス! ギートの背中をかけて、私といざ、尋常に勝負!!」 さぁ掛かって来いと言わんばかりに構えるに 流石に殴りかかるわけにも行かないモーゼスは困り果てる。 仮にも、目の前に居るのは『女性』と名の付くものであり、 認めていいものかは知らないが、自分の女であるのだ。 しかし、じゃれ付くような笑みを向けるに気付いて、 ヤレヤレ、しばらく遊びに付き合ってやるか・・とモーゼスは近づく。 「いい度胸じゃ。 そのうるさい口、黙らせちゃる」 言って、モーゼスがに手を伸ばす。 しかし、そこでギートの我慢の限界だったのか ガウッと一鳴きして、の下から抜け出してしまった。 「え"っ・・・」 「のぅわっ!?」 支えを失ったと、掴みかからんとしていたモーゼスは 同時に体制を崩して、地面に倒れこむ。 ・・・それがまた、少し良い具合だったのだろう。 モーゼスは正に、の口を黙らせた――――自らの口で・・・ 「「・・・・・ぁ」」 2人が、一瞬固まる。 暫くの間の後は一気に顔に熱を昇らせ 一方のモーゼスは、にやりと笑った。 「・・勝負は、ワイの勝ちのようじゃの。」 「・・・バカッ!」 顔を真っ赤にして、の手のひらが モーゼスの頬にクリティカルヒットした。 力の緩んだモーゼスの体を、地面に追いやるように退かして 森の方へと全速で走った。 最後に、クルリと赤い顔をそちらへやって 「モーゼスのバカ山賊!!」 そんな叫びを残して 森の木々の間に、僅かな幻影を残して消えた。 叩かれた・・でも、実質そんなに痛くも無い頬を押さえ 立ち上がるモーゼスは、呆然と、彼女の消えた方を見つめて呟いた。 「エエじゃろが・・・別に・・・ キスくらい・・・たまにゃぁ・・・」 そんなモーゼスの手に、何時の間にやら戻ってきたギートが 自らの頭を摺り寄せて、何か訴えるように その目を見つめた。 モーゼスは、ギートの言いたい事に気付いたのか、 ”そうじゃの”と言ってニッと笑う。 「甘い空気はワイ等にゃ似合わんか。」 ギートは、ガウッと一鳴きした。 甘い空気なんて、 自分達には似合わないから じゃれ合いながら、不器用に行こう 「さぁって、そろそろワガママな姫さんを 迎えに行くとしようかの、ギート」 山に響く、一つの遠吠え それで良い ソレこそが、 君と僕との関係の、方程式―・・・・・ ― fin.... |
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